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竹製ファイフ(No.24) C 管 |
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■ 虎竹(虎班竹)を使用して小さな横笛(ファイフ)を作成しました。 ファイフ (Fife) について |
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虎竹は黒っぽく表面に虎皮状の模様が入った細身の竹材です。屋内装飾等に利用される素材で、近所のホームセンター(資材売り場)で購入しました。比較的割安(2㍍/138円)ですが購入時に吟味しないとヒビ割れや変形したものが含まれています。 |
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虎竹(虎班竹) |
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1.ベースサイズの作成 |
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先ず、フルート作成マニュアルの「フルート適正サイズの予想」ページを参照して、ファイフの最低音である`Cスケール´の予想サイズ(反射板~管尻間)をピックアップします。 |
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今回作成するのは、ファイフなので、管体の形状は管尻穴無しタイプ、主音(最低音)はハイC(High C)、反射板~管尻間寸法は299mmとします。 |
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近似サイズ表(管尻穴無しタイプ) |
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ハイCスケールの近似サイズ値(≒299.0)は、F管の内径(φ18mm)を基準として算出した値なので、今回の材料(歌口部予想内径≒φ14mm)では、以下のようにサイズ補正(Lc)を行う必要が有ります。(値0.75は経験上から設定した補正係数) |
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Lc = 近似サイズ+(近似サイズ×(18-作成する管の内径)×0.75/100) |
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Lc = 299+(299×(18-14)×0.75/100)≒308 |
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ハイCスケールの実サイズを308mm(反射板~管尻間)と推測 |
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算出したハイCスケールの実サイズ(予想値)を基に、竹材を下図のようなベースサイズに加工しました。 |
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歌口の穴開け位置は、ベースサイズの設定ページの「歌口の加工」に準じています。 |
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竹製ファイフ ・ ベースサイズ |
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管体の形状(テーパー)と内径寸法を一般的なファイフに合わせる為に素材の一番細い部分を使用しました。 |
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尚、この竹材は、節~節の間隔が短い為、電動ドリルにロングビットホルダーをセットして節(ふし)部分を貫通させ、さらに内径側の突起を丸ヤスリで加工することで必要な管サイズを確保しました。 |
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歌口穴の加工後、この状態で音を出しピッチを確認すると、首尾良く C5より少し低い音(518Hz前後)が出ていますので、これを今回のベースサイズとします。 |
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2.指穴位置と指穴径の算出 |
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ファイフの検証のページに有る指穴位置の全長比率(有効全長に対する各指穴位置の比率)と管径比率(内径に対する指穴径の比率)の測定データが以下となります。 |
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ファイフの指穴位置全長比率と指穴径の管径比率 |
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指穴位置=(管全長×全長比率)/100 指穴径=(管内径×管径比率)/100 |
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このファイフ用のエクセル計算表は、リコーダー運指フルートの指穴位置計算表 の同セル欄の%値を上記の値に修正して使用します。反射板位置は歌口中心~反射板間の値、歌口位置は管尻端面~歌口中心間の値、内径寸法の入力値は管尻端~反射板間の平均内径(予想)としました。 |
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ファイフ測定データを使用した指穴位置と指穴径の算出(エクセルシート) |
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3.指穴の加工 |
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先ずは、前項のエクセル表で算出した値を基に正確な指穴位置図面を作成します。 |
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穴開け位置は、先ず管の表面にマスキングテープを貼り、その上から、20mm位の幅に切った指穴位置図面を両面テープで固定します。 |
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尚、現時点では未だ適正な指穴径についてのデータが不足している為、各下穴径は予想値より 1~1.5mmほど程小さめに開けるようにしました。 |
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4.チューニング |
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左図は、TOYAMA FIFE (Pipit) に付属していたハ長調音階の運指表を書き直したものです。(下が歌口側)
実際のスケール(High-C)の記譜は、これより1オクターブ上となります。
基本的なチューニングは、このように個々の指穴が完全にオープン(○)、或いはクローズ(●)となる状態で、その音程を決める主要指穴(歌口に一番近い○)のサイズを修正することで各ピッチを合わせます。
チューニングは、低音側から C・D・E・F・G・A・B・C・Dの順に行います。
尚、C(最低音)が低い場合、全ての指穴を塞いだ運指で管尻側を短くカットすることでピッチを修正することが出来ます。
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ファイフ運指表 |
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5.完成図面 |
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竹製ファイフ(No.24)の完成図面です。修正後の各径は下記図面の寸法(0 ~+0.3mm)となります。又、第1の指穴開け位置を中心から少し離してありますが、図面寸法は円周上の寸法です。 |
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竹製ファイフ(No.24)の完成図 |
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第2、第3、及び、裏穴の指穴径が、エクセル表の予想値と若干違っている以外は、概ねこの作成プロセスは上手く機能したようです。その部分の外径に丁度連続した凹みが有り、若干肉厚が薄くなっているのが原因かも知れません。 |
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表面(外皮)と加工部分(切断面や指穴周囲)の色の違いが目立ち、どうも見映えが悪いので、木工用補修ペン(M色)で繕うことにしました。
ペン先のもう一方は細くなっている為、小さな指穴径の側面にも塗布することが出来ます。 |
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6.評 価 |
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このファイフは、参考にしたファイフ(Toyama Pipit)に比べるとテーパー(勾配)が若干少なくなりましたが、楽器の特性は似通っています。自然の素材なので音質も良く、音程も安定しているので先ずは及第です。 |
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竹製ファイフ (No.24) C管 |
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