Making a Bamboo Quena
12.ケーナの作成例
: 塩ビ製ケーナ (ボリビア運指・G管)(リコーダー運指・F管)など
私が最初に作成したケーナは、下図のようなポリ塩化ビニール(PVC)パイプを利用した、いわゆる塩ビ製ケーナです。
初めて塩ビ製ケーナを作成する際の参考になればと思い、旧サイト(閉鎖)のメニューから幾つかを抜粋しました。
   
塩ビ製ケーナに関するページは、このサイト内 に有ります。
: 竹製ケーナ No.2 (ボリビア運指・G管)
これは、私が作成した2本目の竹製ケーナです。 ボリビア運指の竹製ケーナは、失敗作を含めて今迄に5~6本程作成しましたが、その当時の未熟なスキルにも関わらず、何故かこのケーナが一番パフォーマンスが良く気に入っています。
竹製ケーナ No.2 (ボリビア運指・G管)
: 自己流の作成プロセスによるオーソドックスな竹製ケーナ No.12 (ボリビア運指・G管)
竹製ケーナ No.12 (ボリビア運指・G管) : 作成レポート
女竹材を使用した標準的なケーナ(ボリビア式・G管)です。 このページの各メニュー(Chapter 5~11)) で解説した竹製ケーナ作成プロセスの再確認を兼ねて作業を進めました。
: 竹製ケーナ No.8 (ボリビア運指・G管) : 標準的なケーナに小指用の指穴を1ヶ所追加したタイプ
竹製ケーナ No.8 (ボリビア運指・G管) G♭付加 : 作成レポート
標準G管ケーナより管尻側を少し長くし、右手小指の位置に指穴が1ヶ所追加して有ります。 一般的なボリビア運指ケーナと同じ運指ですが、この指穴を塞いだ時のみG(F)音を出す事ができます。
但し、興味本位で作成したものなので、このタイプの実用的なメリットは余り無いかも知れません。
: ホウライチク(蓬莱竹)を使用した `リコーダー運指のケーナ´ (F管)
その 1: アルトリコーダーの指穴配置を摸したリコーダー運指ケーナの試作(№10)です。
リコーダー運指ケーナ (№10) F管 : 試作レポート
その 2: 同じ竹材を使用したリコーダー運指ケーナ(№13)です。
リコーダー運指ケーナ (No.13) F管
管内径のテーパーが少なく、全体に太めの仕様となっています。 音が出し易いように歌口を小さく仕上げましたが、このような形状の場合は、もう少し大きくした方が良かったかも ...
後日 このデータを使用して以下のようなEXCEL計算表を作成しました。 塩ビ管(HIVP管)や他の竹材(女竹)を用いたケーナ作成で、このEXCEL計算表を利用してみましたが上手く機能するようです。
リコーダー運指ケーナの指穴位置計算表
Recorder fingering quena fingerhole position calculation chart
ケーナ作成に於ける一連のプロセス(Chapter7~11迄)が終わりましたら、敢えて「仕上げ処理」という作業は必要有りません。 以下では、作成したケーナを長持ちさせる為の幾つかの方法について紹介しています。
 クラック対策
竹製のケーナは、加湿と乾燥を繰り返すことによりクラック(ひび割れ)が生じる懸念が有ります。 気温の低い時に暖かい息を吹き込んだ場合や、急速に息からの湿気を吸収した場合にもこれが起き易いようです。
1. メンテナンス
メンテナンスにはクルミ・オイル等を塗布するのが良いようです。 私の場合は、気休めに `椿油´ や料理用のオリーブ・オイルを塗布しています。(笑)
2. バインディング
バインディングとは、ケーナのクラック対策(補強)、或いは 装飾の目的で、通常は歌口側の1~2箇所に紐(ひも)を強固に巻き付けて固定することを言います。
私が作成した2本目のケーナ(下の写真)では、使わなくなった投げ釣り用ナイロン糸で代用しましたが、通常バインディングに使用する紐(ひも)は、見栄えが良く、余り滑らない材質のものを選択します。
補強・装飾用のバインディング
2~3~4間は少し長めに設定した方が作業がし易いと思います。 (結び目クリックで拡大表示) 必要回数の糸を巻き終わったら図のように結び目を作ります。



結び目が巻き糸の内側に隠れるまで、それぞれの糸の端をケーナの長手方向(一方は歌口側、もう一方は管尻側)に強く引っ張ります。 糸の不要部分は、管の表面を傷付けないよう慎重にカッターナイフで切断します。さらに糸が緩まないように瞬間接着剤をこの部分に使用すると良いと思います。
3. 収縮チューブによる補強
バインディングの代わりに市販の収縮チューブ(電線等の絶縁用パーツ)を利用した簡単な補強もお薦めです。
私の場合、竹製ケーナへの糸巻きは滅多に行うことは有りませんが、先般、収縮チューブ(電気絶縁用のパーツ)を使用してみました。龍笛や篠笛などの装飾・補強に使用されている藤(とう)や、ボリビア・ケーナの綺麗な糸巻きのように装飾的な要素は有りませんが、補強については非常に有効かと思います。
使用方法は簡単で、チューブを必要な長さにカットしてケーナに被せ、ガスコンロなどで表面を熱した後、そのまま常温になるまで放置するだけです。加熱~収縮後の内径は最大40%程小さくなり、これで糸巻きよりももっと強固にケーナを保護できる筈です。
近所のホームセンターで、内径φ25,5mm(黒色)のものを購入しました。 価格は、比較的安価で、店頭に有ったものは黒色と透明色の2種類だけで、これ以上大きなサイズは有りませんでした。
ネット上で(収縮チューブ)を検索したところ、スミチューブ、ヒシチューブ、ニシチューブなど製造メーカーも多くサイズも豊富です。
φ30mmの収縮チューブが入手できれば全てのケーナに適用することができると思うのですが、ネット上での少量発注は無理かも知れません。
下図は、この収縮チューブで補強した自作ケーナですが外径が太めだったので強引にチューブを被せました。 又、チューブの位置は本来の目的(補強)からするともう少し歌口側にした方が、見映えは透明色チューブの方が良かったかも...
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