Making a Bamboo Quena
 リコーダー運指ケーナ作成の経緯
一般的なケーナ(ボリビア式)は運指が単純である反面、私の場合は、スムーズに半音(指を半開きにする)を出すことが苦手な為、リコーダーと同じような運指によるケーナを試作してみました。
リコーダー運指ケーナの作成例
リコーダー運指ケーナ(Rケーナと命名)は、リコーダーの指穴配置をケーナに移植したもので、右手小指と薬指の音孔がダブルホールではなく単一の指穴となっていますが、バロック式のリコーダーとほぼ同じ運指となっています。
Rケーナ (F管)
 リコーダーについて
リコーダー(Recorder)は、中世からバロック時代にかけて作られた木管楽器(縦笛)で、フィップル(空気の通り道)とラビューム(エッジ)を組み合わせた歌口構造を持っています。初心者でも容易に音を出すことができることから、近年は教育用の簡易楽器として普及しました。
主音(最低音)の違う2種類の管サイズ、ソプラノ・リコーダー(C管)とアルト・リコーダー(F管)が一般的です。
リコーダー(木製)
指穴の配置によりジャーマン式とイギリス(バロック)式の運指が有り、ジャーマン式は運指が単純・規則的で、初心者でも取っ付き易いという利点は有るものの、ハ長調音階以外の音(♯や♭付きの音)や高音域の音が出し辛いなどの理由からか、近年はバロック式の運指が多く使用されているようです。
バロック式の運指では、使用する8個の穴の開閉を組み合せたクロスフィンガリングと呼ばれる運指を用いることで、音律(12音平均律)をカバーしています。一般的に`半音下げる´場合は、ある音の音程を決める主要指穴を開け、低い側の指穴2つ(音域により1つ、或いは3つ)を塞ぎます。
 リコーダーの運指と各部寸法
私が初めて購入したリコーダーは、AULOS(トヤマ楽器製造)というメーカーのものでプラスチック製です。
AULOS 309A-E Alto Recorder
このリコーダーはアルト(F管)で、音域は楽器の主音(最低音)から2オクターブ強となっており、運指はイギリス式(バロック式)です。
添付の運指表では、F4 ~ G6 迄の音域が表示されていますが、高音域(F6以上)を出すには、ある程度の訓練が必要です。
AULOSリコーダー運指
下図は、このリコーダーの各指穴位置等の寸法を計測したものですが、手持ちの粗末な測定器具を使ったものなので原寸に忠実ではないかも知れません。
アルトリコーダーの各部寸法(参考)
上図(※寸法)のトーンホールのみ管尻方向に傾斜していますが、これは、リコーダのようなクロスフィンガリングの運指に於いて、C5音とB4音のピッチを安定させる為のテクニックではないかと推測しています。
 指穴位置の全長比率と指穴径の管径比率
指穴位置の全長比率は、リコーダー全長(反射板~管尻間)に対する各指穴位置の比率、指穴径の管径比率は、リコーダー内径に対する各指穴径の比率です。尚、管径比率は、管内径のテーパー(約1/45)により変化する各位置の推定内径から算出しました。
尚、以下の表は、このリコーダーとほぼ同じ運指の竹製ケーナ作成時の参考資料として作成したものなので、右手小指と薬指の指穴はダブルホールではなくそれぞれ単一の指穴としています。
アルトリコーダーの全長比率と管径比率(参考)
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