竹製フルート No.11 (F 管 )
近所のホームセンターで購入した晒竹(さらしだけ)を使ったフルートです。晒竹は垣根や室内装飾に使用される素材なので割安(長さ2メートルで僅か98円!)ですが、吟味して購入しないとヒビ割れや変形したものが含まれています。
晒竹(さらしだけ)
1.管サイズ設定と主音(F4)の確認
今回は、オープンタイプ(管尻穴無し)のフルートを作成しますが、この竹(多分、真竹)は、節~節の間隔が短い為、電動ドリルにロングビットホルダーをセットして内径(φ16mm)を加工することで管サイズを確保しました。
Fスケール・オープンタイプの予想サイズは、約448mm(管尻~反射板間)となっていますが、今回は適正内径(φ18mm)より細い材料(φ16mm)を使用する為、サイズ補正(*)が必要となります。
* サイズ補正 = F管近似サイズ+(F管近似サイズ×(F管適正内径-作成する管の内径)×0.75/100)
448+(448×(18-16)×0.75/100)≒455
( 注: 内径がφ18mmより大きい場合、予想サイズは短くなります )
フルート適正サイズの予想
このフルートの近似サイズ(管尻~反射板間)は、前記の補正計算を行うことで≒455mmとなりましたが、念の為、これより少し長めのサイズに材料をカットしました。
節(ふし)から約16mmに歌口を設け、音高を確認しながら長さ修正を行ったところ、首尾良く歌口~管尻間が440mmで主音F4のピッチ(少し低め)となりました。同じ晒竹で作った蓋(ふた)は、外観(見栄え)が少しでも良くなれば...と付加したもので機能的には無意味です。
2.指穴開け位置の設定
リコーダー運指フルートの指穴位置計算表 (管尻穴無しタイプ) に今回の設定値を入力し各指穴位置と指穴径を算出します。入力値は、歌口中心位置440mm、内径φ16mm、及び、反射板位置16mm(歌口中心からの距離)です。
3.下穴開け加工
穴開け位置は、先ず管の表面にマスキングテープを貼り、その上から簡易CADで作成した穴開け位置図面を両面テープで固定します。念のため下穴径は指穴位置計算表で算出した値より0.5~1mm程小さく開けるようにしました。
4.調 律
☆低音側(F4~)から順次音合わせを行います。 ⇒  リコーダー運指のチューニング
5.竹製フルート(No.11) 完成図
下記が完成した竹製フルート(No.11)です。修正後の各指穴径は下記図面の寸法(0 ~+0.3mm)となります。又、第1と第2指穴開け位置を中心から少し離してありますが、図面寸法は円周上の寸法です。
 運指表はこちら
6.評 価
竹材の切断位置は任意で決めることができましたが、管尻側が女竹や蓬莱竹のように窄(すぼ)まっておらず、予想指穴径より若干大きめの仕上がりとなりました。 この竹材は、管尻穴有りタイプで作成した方が良かったかも知れません。
竹垣やガーデニングの支柱となる運命だった晒竹ですが、ケーナ材に負けず劣らず柔らかな良い音色です。
 
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