Making a Bamboo Quena
ベースサイズの確認
8.ベースサイズの確認
 ベースサイズは、ケーナの主音(最低音)が正確にチューニングされた管サイズ(有効長さと内径)の基本形状です。
ここでは、暫定的に作成されたベースサイズの音高を確認して、さらに正確なスケールのベースサイズに仕上げるプロセスを説明しています。
先ずは、下図のように管尻穴と歌口部のみ加工した状態で音を出し、その管サイズが これから作成するケーナのターゲット周波数値(この場合は、G4≒392Hz)に対してどの程度の音高となっているかを `楽器用のチューナー´ で確認します。
作成したベースサイズ
使用するチューナーは、どの様なタイプでも構いませんが、ここでは、Windows用フリーソフト(下図)を使用し、アナログ表示(針の振れ)とデジタル表示(周波数値)を目視して音高を確認しています。
フリーソフト(SoftTuner)による音高の測定
前記(ベースサイズの設定)のプロセスでは、Gスケール近似サイズの値より少し(10mm程度)長めにするように設定した筈なので、多分、最初はG♭4 と G4 の中間位の周波数値(380Hz前後)が表示されると思います。
設定したターゲット周波数値に近づける為に、ベースサイズ歌口側の端面を少し切り落とし管サイズを少し短く(*)し、歌口も再加工します。 以後は、チューナーの表示値を確認しながらこれらの作業を繰り返すことになります。
* 管径やスケールサイズにも依りますが、歌口側の端面を 5mm 短くすると、20~25 セント程ピッチ(音高)が上がるようです。 しかし、チューニングに於ける管サイズの調整には経験が必要で短くなりすぎると致命的となります。
面倒ですが失敗しない為には、ヤスリなどで少しずつ端面を削り、その都度 歌口も修正しながらピッチ(音高)を確認して誤差を修正する方法が無難です。
作成する管サイズのターゲット周波数値(この場合は、G4≒392Hz)に対し -20 セント以内となれば先ずは成功です。
以後は、歌口をベストの状態に仕上げることや、並行して管尻穴径を拡げるなどの微調整を行う事で、さらにピッチを合わせることができます。
尚、竹製ケーナは、管内の温度が1度上昇すると3セント程ピッチが上昇するようです。
従って、自身が行うことができるメリカリ技法(歌口と唇の位置関係を変化させ音高をコントロールする演奏上のテクニック)の実用範囲や、現在の気温と演奏時の気温の差を考慮して最終的な主音のターゲットピッチを決めるようにします。
下図は、標準的なGスケールケーナのベースサイズ作成例です。 私の場合は、この状態で音高が G4スケールの周波数値(約392Hz)より少し低めの音高(-10セント弱)になるように設定しました。
ベースサイズ作成例 (Gスケールケーナ)
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