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6.ベースサイズの設定 |
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ベースサイズの設定は、ケーナの基本形状とその主音(最低音)を決める最も重要な作成プロセスです。 |
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下図は各スケールの近似サイズをエクセルグラフで表示したものです。 |
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ベースサイズをこのサイズの近似値に設定する事で、その管サイズ値の最低音を主音とする長音階のケーナができ上がる筈です。 |
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但し、人間の両手の指で操作可能なサイズは、D4スケール以下のサイズとなり、ボリビア運指のケーナでは G4スケールが一般的となっています。 |
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ケーナのスケールと近似サイズ (単位:mm) |
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ここでは、ケーナの近似サイズを予想する手段として、`あるスケールの主音(最低音)にチューニングされたケーナと、別のスケールの主音を持つケーナは、それぞれの持つ平均律周波数比の値に応じて相似形となる´と仮定しています。
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これら各ケーナの近似サイズは、平均律の周波数比の値(下表)と、基準となるケーナ(例えば、Gスケール)のサイズとを対比させることにより算出しています。 |
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ケーナ各スケールの近似サイズ |
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以下の表では、基準となるG管ケーナの全長を375mmとし、これを基に各スケールのケーナ近似サイズを算出しています。 |
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尚、オープンケーナとは、標準的なケーナの形状では無く、下図のように管尻の形状がフルートのようにストレートなタイプのものを指します。 ここでは基準となるG管オープンケーナ(管尻穴無しタイプ)の全長を
399mm として算出しました。 |
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← 管尻穴標準タイプ |
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← オープンケーナ |
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【各スケール近似サイズ(A.S)を求める】 |
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A.S=(G管の全長×Gの周波数比)/目標音名の周波数比 |
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A.S (Unit: mm) |
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竹材を目的のスケールサイズに切断する際は、これらの近似サイズ表の値を目安としてください。もし、短いサイズに切断した場合は、主音(最低音)が目的のスケールより高くなってしまい、以後の修正ができなくなります。 |
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念の為、切断する寸法はこの表の近似サイズ表の値より、少し(10mm程度)長めにするようにします。 |
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各近似サイズは、Gスケールケーナの内径寸法(φ18mm)を規準として算出しています。 従って、材料を切断する際は、使用する竹材の内径寸法を考慮する必要が有り、一般的に管の内径が小さくなる程、管の全長が長くなり、逆に内径が大きくなる程、管の全長は短くなります。 |
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竹材は、設定するベースサイズを考慮して、できるだけ節(ふし)の間隔が長くカットされたものを入手します。 又、竹材の形状は楕円形であったり、曲がりも有る為、両手で管を支えた時に一番バランスの良い位置に歌口を設定します。 |
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ケーナ各スケールに適合する内径 |
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ボリビア運指ケーナの内径寸法は、一般的にφ16~18mmのものが多く見受けられますが、内径が大きくなる程、演奏の際の息吹き込みのパワーと演奏時のテクニックが必要な為、初心者は細めの内径にするのがお薦めです。 |
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各スケールのベースサイズに適合する管の内径につきましては、下表を参照してください。 |
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内径寸法は、音域とオクターブチューニングを得る為、その長さに合った径を選択することが必要となります。 |
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適合内径の値は、C4~C5 の音域で採用する実用的な管径の範囲を、最大φ24mm ・ 最小φ12mmと仮定し、それを平均律に於ける各スケール音高の周波数比に配分したものです。但し、これらは、あくまでも私個人が目安としている参考値で有り、この値が他の同じような形態の管楽器に当て嵌まる訳では有りません。 |
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ケーナのように自然の素材を用いる場合の内径形状は、一般的に円錐形(テーパー)となっている場合が多く、又、真円ではなく歪(いびつ)であったり、或いは、管の片方が塞がれており内径寸法の確認が難しい為、この判断は主観的なものとなります。 |
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各スケールの適合内径(参考) |
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