Making a Bamboo Quena
 材料の入手
5. 材料の入手
2008年頃、趣味としてケーナを作ってみようと思いたち、当初は何処で竹材を調達したら良いものか判らず、取り敢えずインターネット検索で購入可能なウェブサイトを見つけて、ケーナ作成用のメダケ(女竹)を数本購入しました。
この竹材は、長さが450~460mm位で歌口部の内径はφ17~18mm、管尻(節のある側)は、それより1~2mm程細い形状(テーパー)となっています。
乾燥や油抜処理等、出荷迄には多くのコストが掛かるらしく、多分当時の価格で1本が500円位だったと思います。
初期に購入したケーナ材 (No.8 : 作成途中)
写真(左)は2009年頃、静岡県の富士竹類植物園を見学した折に、ケーナ用の竹材(ホウライチク?)として購入した時のものです。 (現在は、個人向けの販売は行っていないようです)
この竹材は十分に乾燥しておらず、まだこのように表面が青々としており、この状態では使用できません。

後日、自宅のガスコンロを使用して竹材の表面を強制的に炙(あぶ)り、油抜き処理を行ったものが下の写真です。
一般的に油抜き処理には、乾式法と湿式法が有り、乾式法は火に炙って油脂分を竹の表面に滲み出させて手早く拭き取っていく方法、湿式法(湯抜き)は、ごく少量の苛性ソーダを入れた熱湯で、竹材を一定時間煮沸した後、湯釜から取り出し、表面に滲み出た油脂分を丁寧に拭き取る方法です。
今のところ近隣で天然の竹材を入手する手段は無く、又、入手できたとしても、大きな鍋(なべ)や苛性ソーダを準備することは現実的では無いと思われます。
私の知る限り、市販されている竹材でケーナ作成に適したものは、メダケ(女竹)、ホウライチク(蓬莱竹)、スオウチク(蘇方竹)などが主流のようで、現時点での入手方法はネット通販しか有りません。
後日、市販されているケーナ用の竹材の入手方法について調べてみました。
私が十年程前にケーナ材を購入した このウェブサイトでは、現在竹材の販売は行っていないようです。
ウェブ検索で見つけたこの竹材店では、室内装飾用の女竹が販売されており、1本のみの購入も可能なようですが、長さが 4メートル程も有る為、短く分割(切断)しての購入が可能か問い合わせが必要です。
又、この竹材店では、ケーナ材として販売されているようですが、価格などの詳細については問い合わせが必要です。
オンラインショップのAmazonで、南米ペルー産の竹材を見つけましたがこれも中々の値段です。
どうやら、私のような環境(地方都市)で安価なケーナ材を入手するのは、極めて難しくなったようです...
某日、近所のホームセンターに竹材が販売されているのを見つけました。
売り場に有ったのは、黒竹(クロチク)や虎竹(トラタケ)、細めの真竹(青竹)等、どれも室内装飾や工芸品、或いは、家庭園芸の支柱などに利用されるもののようです。
虎竹は、晒竹(さらし竹)、虎班竹とも呼ばれ、表面に虎皮状の模様が入った細身の竹材、黒竹は虎竹より少し太めで全体に黒っぽい色をしており、何れも比較的安価に購入することができます。
しかし、これらの竹材は節(ふし)の間隔が短い為、丁度指穴位置と重なったり、その部分の内径が変化したりしますので、笛の素材としては余り利用されていないようです。

試しにこれらを購入して使用してみる事にしましたが、なかにはヒビ割れや変形したものが含まれているので、いろいろ吟味して程度の良いものを選ぶようにしました。
虎竹(虎班竹) 黒竹(クロチク)
ケーナ材としては未だ試みていませんが、別ページ「竹製フルートの作成」のレポート(№25)のように、趣味で使用するので有れば、少なくとも管楽器の必須条件(パイプ状であること)は満たしており、致命的な不具合(音質、音程、操作性等の)も余り無いように思われます。
これらの竹材は、各指穴位置に丁度連続した外径の凹みが有り、それらが節(ふし)毎に交互(裏表)に出現します。その部分の肉厚が若干薄くなっていますが、操作上の支障は無く、むしろ個人的には、竹材の工芸的な魅力が感じられます。
虎竹(虎班竹)で作成したフルート
何時でも比較的安価に購入できるメリットも有りますので、個人的には今後も利用して行きたいと思います。
尚、使用の際は、節~節の間隔が短い為、電動ドリルにロングビットホルダーをセットして節(ふし)部分を貫通させ、さらに内径側の突起を丸ヤスリや専用工具で加工することで必要な管サイズを確保しました。
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