竹製フルート No.5 (F 管 )
 
№4フルートと同じ形状ですが、今回は比較的細い材料(φ16mm)を使用することで、高音域の音出しが改善できるかどうかを検証してみます。
1.管サイズ設定と主音(F4)の確認
管径が細くなった事により主音(最低音:F)が高くなり過ぎるのが心配なので、管尻~歌口間寸法値を、№4より若干大きめの値(406mm)としました。反射板(コルク)位置を調節し、下図のような設定にて目標のF4のピッチ(少し低め)に合わせることができました。
2.指穴開け位置の設定
リコーダー運指フルートの指穴位置計算表 に上図の設定値を入力、指穴位置と指穴径等の算出を行いました。入力値は、歌口中心位置406mm、内径φ16mm、及び、反射板位置21mm(歌口中心からの距離)です。
3.穴開け作業
穴開け位置は、先ず管の表面にマスキングテープを貼り、その上から簡易CADで作成した穴開け位置図面を両面テープで固定します。管の内外径や形状的な違いを考慮して、全体に指穴径を予想穴径より小さ目(予想穴径より、-0.5mm程度)に開けました。
4.竹製フルート(No.5) 完成図
下記が完成した竹製フルート(No.5)です。修正後の各指穴径は下記図面の寸法(0 ~ +0.3mm)となります。又、第1と第2指穴開け位置を中心から少し離してありますが、図面寸法は円周上の寸法です。
 運指表はこちら
5.評 価
最低音から高音域まで比較的音程も安定しており、音出しもスムーズです。
反射板の位置は、管径の大小により変化させる事が必要かも知れません。現時点ではどの位置が適正なのか判断できませんが、モダンフルート(内径φ19mm)の場合は、17mm位が適正値のようです。
因みに、指穴位置計算表の反射板位置は、歌口中心から15mmをデフォルトとしています。
現在、Fスケールの予想サイズ(反射板~管尻間)は、管の内径φ18mm(基準) → 420mm となっていますが、今回のように内径を小さくする場合は以下の補正を行います。
 例: φ16mm → 420+(420×1.5%)≒426(mm)、φ17mm → 420+(420×0.75%)≒423(mm)
又、基準(φ18mm)より大きくする場合は、以下の補正を行います。
例: φ20mm → 420-(420×1.5%)≒414(mm)、φ19mm → 420-(420×0.75%)≒417(mm)
管尻穴径は音質やパフォーマンス、或いは、オクターブ比とも関連が有るようです。適正な管径比率は今のところ確定できませんが、管内径に対して完成時の管径比率が60%以上となるように設定したいと思います。
 
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