Menu
仕上げ作業
11.仕上げ作業
フルート作成に於ける一連のプロセス(Chapter7~10迄)が終わりましたら、敢えてこの「仕上げ作業」は必要有りません。 このページでは、作成したケーナを長持ちさせる為の幾つかの方法について紹介しています。
 クラック対策
竹製のフルートは、加湿と乾燥を繰り返すことによりクラック(ひび割れ)が生じる懸念が有ります。気温の低い時に暖かい息を吹き込んだ場合や、急速に息からの湿気を吸収した場合にもこれが起き易いようです。
折角完成したお気に入りのフルートを長持ちさせる為にも、できれば以下の方法を参考にしてみてください。
メンテナンスにはクルミ・オイル等を塗布するのが良いようです。 私の場合は、気休めに椿油や料理用のオリーブ・オイルを塗布しています。(笑)
又、補強と装飾を兼ねて少なくとも歌口下方に1ヶ所、オープンタイプ(管尻穴無し)フルートの場合は、管尻端にも1ヶ所のバインディング(糸巻き)を行うことをお勧めします。
バインディングに使用する紐(ひも)は、見栄えが良く、余り滑らない材質のものを選択します。
 バインディングの手順
2~3~4間は少し長めに設定した方が作業がし易いと思います。 (結び目クリックで拡大表示) 必要回数の糸を巻き終わったら図のように結び目を作ります。



結び目が巻き糸の内側に隠れるまで、それぞれの糸の端をケーナの長手方向(一方は歌口側、もう一方は管尻側)に強く引っ張ります。 糸の不要部分は、管の表面を傷付けないよう慎重にカッターナイフで切断します。さらに糸が緩まないように瞬間接着剤をこの部分に使用すると良いと思います。
 収縮チューブによる補強
私の場合、前記のようなバインディングを行う事は滅多に有りませんが、試しに収縮チューブ(電気絶縁用のパーツ)を使用してみました。龍笛や篠笛などの補強に使用されている藤(とう)や紐のような装飾的な要素は有りませんが、補強については非常に有効かと思います。
使用方法は簡単で、チューブを必要な長さにカットしてケーナに被せ、ガスコンロなどで表面を熱した後、そのまま常温になるまで放置するだけです。加熱~収縮後の内径は最大40%程小さくなり、これで糸巻きよりももっと強固に竹製フルートを保護できる筈です。

近所のホームセンターで、内径φ25,5mm(黒色)のものを購入しました。 価格は、比較的安価で、店頭に有ったものは黒色と透明色の2種類だけで、これ以上大きなサイズは有りませんでした。

ネット上で(収縮チューブ)を検索したところ、スミチューブ、ヒシチューブ、ニシチューブなど製造メーカーも多くサイズも豊富です。

φ30mmの収縮チューブが入手できれば全てのケーナに適用することができると思うのですが、ネット上での少量発注は無理かも知れません。
写真は、竹製フルート(№13)に、この収縮チューブを使用したものですが、ケーナの外径が太い為、強引にチューブを被せました。又、チューブの位置は本来の目的(補強)からするともう少し歌口側にした方が、見映えは透明色チューブの方が良かったかも...
収縮チューブによる補強 (竹製フルート・№13)
 
結び目詳細 inserted by FC2 system