Making a Bamboo Flute
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竹製フルートの構造
Chapter 1
1.竹製フルートの構造
管楽器である横笛(フルート)を作成する場合、私個人が入手可能なパイプ状の自然素材としては竹材が唯一と云っても良く、今のところ他の選択肢は有りません。
自作フルート(竹製)
下図のように、片方が閉じた竹材に穴(歌口)を開け、そのエッジに向かって息を吹き込むことで、管内に閉じ込められた空気が振動し、それにより音が発生します。
この時発生する音の高さは、管の長さ(反射板~管尻端の距離)によって決まります。 この場合は、歌口から管尻端までの距離(lo)がそのフルートの主音(最低音)発音の目安となります。
竹製フルートの基本形状は、この管の表面に人間の両手の指で操作可能な数だけの穴(指穴)を開け、歌口とそれに一番近い塞がれていない穴との距離(ln)を変化させる事で奏でる音の高さを決めるようにしています。
歌口のエッジに向かって息を吹き込むと、圧力の高い音の波が管内を通り、塞がれていない指穴位置に達します。次に、それが反射して歌口まで戻って来ると今度は空気を外に出そうとする圧力が働きます。歌口は唇により塞がれている為、一瞬その部分の圧力が下がり、今度は空気を吸入しようとします。これにより唄口のエッジ付近に空気(気柱)が振動するサイクルができることで音が発生します。
指穴を開閉すると、気柱の実効長が変わり共振周波数が変化する為、音高を変えることができます。
 長音階を発音させる為の指穴配置
縦笛や横笛は、その管サイズ(長さと内径)により主音(最低音)が決まり、それを根音(最初の音)とした長音階を正確に奏でることができるように指穴の配置をデザインします。
竹材を使った楽器には様々な種類があり、日本の伝統的な楽器である篠笛(しのぶえ)や龍笛(りゅうてき)等の横笛、又、横笛では有りませんが尺八や南米ペルー・ボリビアなどが発祥とされるケーナ等の縦笛にも竹が使用されています。
篠笛(Suzuki)
尺八(ウィキペディアより) 自作ケーナ(No.2)
これらの笛には、裏側に1つ有る穴(主にオクターブホール)を含めて5つ~8つの指穴が開けられていますが、それぞれが固有の指穴配置となっており、何れも西洋音楽の長音階が出せるよう改良が加えられて来ました。
しかし、これらの楽器で半音を出すためには指孔を半開にしたり、メリカリ技法(歌口と唇の位置関係を変化させ音高をコントロールする)など演奏上のテクニックが必要となる為、#や♭の多く有る楽曲ほど演奏が難しくなります。
下図は、このサイトで紹介している竹製フルートです。 これらは、アルトリコーダー(Alto Recorder)の指穴配置を模したものを採用しています。
アルトリコーダー(バロック式)は、両手の指で操作する8個の穴の開閉を組合せ、音階(12音平均律)をつくりますが、クロスフィンガリングと呼ばれる運指で半音階を実現しています。一般的に`半音下げる´場合は、ある音の音程を決める主要指穴を開け、低い側の指穴2つ(音域により1つ、或いは3つ)を塞ぎます。
 
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