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塩ビ製ファイフ C管 (リコーダー運指) |
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水道管用のビニールパイプで作成したファイフ(Fife)の リコーダー運指バージョンです。 |
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塩ビ製ファイフ (ソプラノリコーダー運指) |
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1. ベースサイズの設定 |
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リコーダー運指のフルート作成の経験は有りますが、塩ビ製ストレートパイプを使用したファイフを作成するのは、今回が初めてなので、管長の設定(反射板から管尻までの寸法)は、一般的なファイフ(内径が先細りの形状)の寸法より少し長めに材料をカットしました。 |
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ベースサイズ各パーツの加工寸法図 |
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本体は、水道管用ビニールパイプ PVC-U(VP13)/外径φ18mm×内径φ13mm)を使用しました。 材料(1m)を近所のホームセンターで購入しました。 |
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尚、売り場に下図のような、これと同寸法のパイプ(給湯用・耐熱硬質塩化ビニール管/HT13)も有り、こちらの方が多少見栄えが良くなると思いますが、価格が3倍以上となります。
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頭管部の封栓(反射板)、及び管尻穴を形成する為のパーツは、右の写真のような配管工事用のツバ管を使用しました。 |
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外径部分は、ビニールパイプの内径に合うφ13mm、ツバ部分の内径も都合の良いφ9mmとなっています。 |
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頭管部の封栓(反射板を兼ねる)は、内径部分を全て、エポキシパテ(プラスチックの穴埋め成形用/セメダイン)を使用して塞(ふさ)ぎました。 又、管尻穴部分に使用するパーツは、長さ方向を切断加工して利用します。 |
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最初は、歌口~管尻間を少し長めに設定しておき、チューナーで音高を確認しながら管尻側の長さを少しずつ短くカットし、下図の寸法で、概ね C5(約523Hz)の音高(ベースサイズの基音)となりました。 |
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ファイフのように管径が細い場合は、歌口に息を吹き込む角度により、音高が最大±40セント程度変動しますので、自分にとって使い易い状態を見極めるようにしてください。 |
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今回のベースサイズ設定は、若干低めのチューニング(-10セント程度)となっていますが、管尻穴径(φ9mm)を少し拡げる事で、もう少しピッチを上げる事ができます。 |
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ベースサイズの基音(最低音)が確認できましたら、下図のように頭管部と管尻穴部分の両パーツを塩ビパイプ用セメダインで固定します。 |
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塩ビ製ファイフのベースサイズ |
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2. 指穴開け位置の設定 |
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各指穴の位置は、このサイトの「竹製フルート作成」で使用したリコーダー運指フルートの指穴位置計算表のEXCELワークシート(下図)を使用しました。 入力値は、歌口位置→295mm、内径寸法→φ13mm、及び、反射板位置→8mm(歌口中心からの距離)です。 |
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指穴位置計算表に今回のデータを入力したもの |
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3. 指穴開け位置の図面作成 |
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下図は、簡易2次元CADを使用した指穴開け位置の図面をプリントアウトしたものですが、パソコンによるCAD操作が苦手な方は、手書きの図面でも構いませんが、指穴位置のクロス・ターゲットをできる限り正確にプロットします。 |
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指穴開け位置図面の作成例 |
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4. ベースサイズへの指穴位置図面の貼り付け |
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プリントアウトしたCAD図面の裏面側から、中心線に沿って、必要な長さの両面テープ(幅20~25mm程度)を貼り付けた後、予め図示されたガイド線に合わせて幅方向をカットします。 |
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表面用と裏面用2種の図面が必要で、共に管尻側端面は基準線上でカットします。 |
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下図のように、ベースサイズ確認後の管体表面に、先ずマスキングテープ(紙テープ)を貼り、その上から指穴位置図面を両面テープで固定します。 既に加工済みである歌口中心と管尻穴の中心を結ぶライン上に指穴が一直線上に並ぶよう正確に図面を貼り付けます。
裏穴用の図面も同じ方法にて貼り付けてください。 マスキングテープは、敢えて必要有りませんが加工後の図面が剥がし易くなります。 |
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ベースサイズへの指穴開け位置図面の貼り付け |
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5. 指穴開け加工 |
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錐(きり)などを使用して、図面上のクロス・ターゲットに合わせて正確な位置に揉み込みを行った後、さらに電動ドリルで全ての指穴のセンター位置にガイド穴(φ1.5~2.0mmの貫通穴)を開けておきます。 |
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以後は、指穴位置計算表で算出された予想指穴径より細いドリル刃(-0.5mm程度)を使用して下穴を開けるようにします。 |
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最初に第1指穴(管尻に一番近い指穴)を開け、第2音(CスケールではD5音)のピッチを確認することで、以後の下穴径のサイズ(予想径に対してどの位小さく開ければ良いか)を判断します。 |
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各指穴開け位置への下穴加工 |
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6. チューニング |
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電動ドリルによる全ての指穴開け加工が終わったら、両面テープで固定した指穴位置図面を剥がします。 |
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チューニングは通常最低音(C5)から順次行い、以後各音高をチューナーで確めながら穴径を調整しチューニングを行います。 この場合、各音高のオクターブ上も並行して確認します。 |
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音 名 |
音 名 |
周波数-1(Hz) |
周波数-2(Hz) |
運 指 (左方向が歌口側) |
C5 / C6 |
ド |
523.251 |
1046.502 |
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D5 / D6 |
レ |
587.330 |
1174.659 |
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E5 / E6 |
ミ |
659.255 |
1318.510 |
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F5 / F6 |
ファ |
698.456 |
1369.913 |
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G5 / G6 |
ソ |
783.991 |
1567.982 |
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A5 / A6 |
ラ |
880.000 |
1760.000 |
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B5 / B6 |
シ |
987.767 |
1975.534 |
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C6 / C7 |
ド |
1046.502 |
2093.004 |
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D6 / D7 |
レ |
1174.659 |
2349.318 |
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Cスケールのチューニング (記譜はミドルC) |
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先ずは指穴を全て塞ぎ、主音C5(≒523Hz)を確認してみます。ここでは(1.)項で既に最低音(主音)の確認を行っていますので大きな変化は無いと思いますが、もし、ピッチが低いようであればこの時点で修正(管尻穴径を少し拡げるか、歌口~管尻間を少し短くする)を行います。 |
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以後各音高を確めながら指穴径を調整しチューニングを行います。基本的にはその音程を決める主要指穴径(①~⑧)を大きくして行くことでピッチが上がります。穴サイズの修正加工は今のところ便利な工具が見つからないので丸ヤスリを使用しています。 |
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切断した材料の内径側のエッジや指穴径のアンダーカット(面取り)を行う場合、バリ取り用の工具(100円ショップで購入)が便利です。 |
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チューニングを行う際の気温や材料の温度によっても測定値が違う為、ある程度の測定基準を決める必要が有ります。 |
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ピッチが上がり過ぎると以後の修正ができなくなりますので、通常は基準より少し低め(-10セント程度)のピッチを目標値としてチューニングを行います。 |
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私の経験では、指穴(内径側)長手方向の面取り加工(アンダーカット)を多めに行うことで若干ピッチが上がるようです。 |
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丸ヤスリによる指穴径の修正 |
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バリ取り用工具によるアンダーカット |
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7. 塩ビ製ファイフ(リコーダー運指)の各部寸法 |
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塩ビ製ファイフの完成図です。 図面上の各指穴径は概算値(0 ~+0.3mm)です。第1指穴の穴開け位置を中心から少し離してありますが、図面寸法は円周上の寸法です。 |
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塩ビ製ファイフの完成図 |
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8. 評価 |
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塩ビ製ファイフの作成は初めてとなりますが、別ページの竹製フルートの作成 に沿ったプロセスで作業を進め、何とかカタチにする事ができました。 |
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ストレートの塩ビ製パイプなのでテーパー状(先細り)になった市販のファイフに比べると、やはりオクターブ特性がかなり劣りますが、まずまずの出来映えと自己満足しています。 |
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Making a Vinyl Chloride Fife |
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