|
|
|
|
|
|
|
竹製リコーダー運指フルート |
|
このサイトで紹介している `リコーダー運指フルート´ とは、主に F4スケールの竹製フルート(横笛)に、リコーダー擬き(もどき)の指穴配置を適用したもので、この仕様は世間的に認知されたものではなく、あくまでも個人的な趣味(興味)で作成したものです。
従って、当マニュアルに記載された内容の取り扱いにつきましては自己責任でお願いします。 |
|
この竹製フルートの運指は、主にアルトリコーダー(Alto Recorder)の指穴配置を模したものを採用しています。 |
|
|
|
リコーダー運指による竹製フルート |
|
このフルートの素材は、比較的 節(ふし)の間隔が広い メダケ(女竹)、ホウライチク(蓬莱竹)、スオウチク(蘇方竹)などの竹材が望ましく、下図のように歌口側(左)から管尻側(右)に向かって管の内外径が少し細く窄(すぼ)まった形状の竹材を利用しています。 |
|
|
|
リコーダー運指による竹製フルートの形状 |
|
このような先細りの竹材を利用する理由の1つは、リコーダーの内部構造(下図・左)を意識した為ですが、竹材にリコーダーと同じような形状(テーパー度など)を求めるのは到底無理なので、右の図のように管尻側の節(ふし)に穴を設けた形状としました。 |
|
|
|
|
リコーダーの管尻形状 |
|
竹製フルートの管尻形状 |
|
|
尚、複雑なキー機構を持たないリコーダーやバロック・フルートのような木管楽器に、管尻側の内径が窄(すぼ)まったようなデザインが採用されたのは、特に2オクターブ以上の音を出す際の音程が改善されることや、その音程を確保しつつ各指穴位置が自然に手を広げた範囲の位置に配置できることのようです。 |
|
|
|
作成の経緯 |
|
リコーダー運指フルートを作成するようになったのは、私が趣味として竹製ケーナを作成していた頃(2008~9年)です。 |
|
|
自作竹製ケーナ |
|
一般的なケーナ(ボリビア式)は運指が単純である反面、私の場合は、スムーズに半音(指を半開きにする)を出すことが苦手な為、リコーダーと同じような運指によるケーナを作成したいと考えました。 |
|
多分、子供の頃に使っていた小さなリコーダーの方が、より運指(演奏)が簡単だったように思え、ケーナをリコーダーの運指で演奏することができたら面白いと考えたからです。 |
|
プラスチック製のリコーダーは、近所のショッピングセンターなどで購入することができ、この年になって初めて自分で購入しました。 通常、リコーダーには ソプラノ(Hi-C)とアルト(F4)の2種類が有りますが、一般的なケーナのスケールサイズ(G4)に近いアルトリコーダーの方を購入することにしました。 |
|
リコーダーの指穴配置の情報を得(パク)る為、先ずは その形状を自分なりに計測して大まかな寸法図を作成しました。 |
|
作成したアルトリコーダーの各部寸法図 は、この個人的なプロジェクトの最初の資料ですが、すべてのリコーダー運指では、右手小指と薬指の指穴が小さなダブルホール(半音に対応)となっていることに改めて気付きました。 |
|
実際にこのような仕様を竹製ケーナに反映させて幾つかの試作を行いましたが、加工の難しさや音出しが上手くできないなど多くの問題が生じ、その後の試作でそれぞれの指穴位置を単一の指穴で操作するよう変更しました。 |
|
リコーダー運指ケーナ №10 |
|
作成した竹製ケーナは、リコーダーと同じ運指とはならず、演奏者のメリカリ技法(歌口と唇の位置関係を変化させ音高をコントロールする演奏上のテクニック)などのスキルが必要な
`ほぼ同じ運指´ となりましたが、不安定な自然素材を使用することを考慮すると、概ね 及第点ではないかと自負しています。 |
|
リコーダー運指ケーナは、現在は余り利用する機会が少なくなりましたが、このタイプのケーナを作成した経験が、現在の当サイトのメインタイトル「竹製フルートの作成」となりました。 |
|
|
|
リコーダーについて |
|
リコーダー(Recorder)は、中世からバロック時代にかけて作られた木管楽器(縦笛)で、フィップル(空気の通り道)とラビューム(エッジ)を組み合わせた歌口構造を持っています。初心者でも容易に音を出すことができることから、近年は教育用の簡易楽器として普及しました。 |
|
主音(最低音)の違う2種類の管サイズ、ソプラノ・リコーダー(C管)とアルト・リコーダー(F管)が一般的です。 |
|
|
|
リコーダー(木製) |
|
指穴の配置によりジャーマン式とイギリス(バロック)式の運指が有り、ジャーマン式は運指が単純・規則的で、初心者でも取っ付き易いという利点は有るものの、ハ長調音階以外の音(♯や♭付きの音)や高音域の音が出し辛いなどの理由からか、近年はバロック式の運指が多く使用されているようです。 |
|
バロック式の運指では、使用する8個の穴の開閉を組み合せたクロスフィンガリングと呼ばれる運指を用いることで、音律(12音平均律)をカバーしています。一般的に`半音下げる´場合は、ある音の音程を決める主要指穴を開け、低い側の指穴2つ(音域により1つ、或いは3つ)を塞ぎます。 |
|
|
|
リコーダーの運指と各部寸法 |
|
私が初めて購入したリコーダーは、AULOS(トヤマ楽器製造)というメーカーのものでプラスチック製です。 |
|
|
|
AULOS 309A-E Alto Recorder |
|
このリコーダーはアルト(F管)で、音域は楽器の主音(最低音)から2オクターブ強となっており、運指はイギリス式(バロック式)です。 |
|
添付の運指表では、F4 ~ G6 迄の音域が表示されていますが、高音域(F6以上)を出すには、ある程度の訓練が必要です。 |
|
|
AULOSリコーダー運指 |
|
下図は、このリコーダーの各指穴位置等の寸法を計測したものですが、手持ちの粗末な測定器具を使ったものなので原寸に忠実ではないかも知れません。 |
|
|
|
アルトリコーダーの各部寸法(参考) |
|
上図(※寸法)のトーンホールのみ管尻方向に傾斜していますが、これは、リコーダのようなクロスフィンガリングの運指に於いて、C5音とB4音のピッチを安定させる為のテクニックではないかと推測しています。 |
|
|
|
指穴位置の全長比率と指穴径の管径比率 |
|
指穴位置の全長比率は、リコーダー全長(反射板~管尻間)に対する各指穴位置の比率、指穴径の管径比率は、リコーダー内径に対する各指穴径の比率です。尚、管径比率は、管内径のテーパー(約
1/45)により変化する各位置の推定内径から算出しました。 |
|
尚、以下の表は、このリコーダーとほぼ同じ運指の竹製簡易フルート作成時の参考資料として作成したものなので、右手小指と薬指の指穴はダブルホールではなくそれぞれ単一の指穴としています。 |
|
|
|
アルトリコーダーの全長比率と管径比率(参考) |
|
|
|
|
|
|
|
|